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患者の皆様へ

特別外来 「炎症性腸疾患・腸管不全外来」

ご挨拶

令和6年4月より、小児外科、消化器・肝臓内科、小児科・新生児科の3科合同で「炎症性腸疾患・腸管不全外来」を設置いたしました。

炎症性腸疾患や腸管不全は難治性のものが多く、長期に渡る治療のために患者さんの生活の質(QOL)を損ないやすい疾患です。
治療のみならず、栄養面や社会的整備など、長期かつ包括的にサポートしていく必要があります。
腸管不全は新生児期・乳児期発症のものも多く生涯にわたって医療的ケアが必要であり、炎症性腸疾患は年々増加傾向であることから、これらの需要は高まっています。

今回当院では、これらの疾患に悩む患者さんが包括的なサポートをよりスムーズに得られるように、各科連携した外来を開始いたしました。
炎症性腸疾患・腸管不全などの難治性消化管疾患の治療について、年齢や地域を問わずご相談いただければ幸いです。

消化器・肝臓内科

木暮宏史

小児外科

上原秀一郎

小児科・新生児科

森岡一朗

対象となる疾患

炎症性腸疾患

炎症性腸疾患とは、自身の免疫細胞の異常により腸管を攻撃してしまうことで炎症が生じる疾患です。
炎症性腸疾患を発症すると、慢性的な腹痛や下痢、血便を繰り返すようになります。潰瘍性大腸炎とクローン病に代表されます。

●潰瘍性大腸炎 

主に大腸に炎症を起こす疾患です。1日5~10回以上の下痢や血便を起こすのが典型的ですが、重症例では腸に穴が開いたり(穿孔)、炎症が長く続くことで大腸がんを合併することがあります。

●クローン病

口から肛門まですべての消化管に炎症を生じうる疾患です。炎症に伴って腸の一部が狭くなったり(狭窄)、腸に穴が開いたり(穿孔)、腸管同士や腸管から皮膚にトンネルができる(瘻孔)ことがあります。

腸管不全

腸管不全とは、様々な要因により腸から十分な水分や栄養が吸収できなくなった状態をいいます。
小児で多い病態ですが、成人でも発症する場合があります。適切な水分・栄養の補充のため長期に渡り中心静脈栄養カテーテルが必要となります。

●短腸症候群:中腸軸捻転、壊死性腸炎、上腸間膜血栓症、虚血性腸炎など

 血流障害や外傷などにより正常な小腸を大量に失ってしまったために腸管不全を呈している状態です。

●腸管運動機能不全:ヒルシュスプルング病、慢性特発性腸閉塞症、巨大膀胱短小腸結腸蠕動不全症など

 腸の長さが十分にあるにも関わらず、腸がうまく蠕動しないために食べたものを効率よく運べない状態です。

●消化吸収障害:蛋白漏出性胃腸症、吸収不良症候群、微絨毛萎縮症など

 その他、腸管が存在するにも関わらず水分や栄養が十分に吸収できない様々な疾患があります。

外来担当表

●中学生以下のお子さんの診療窓口は、小児外科が担当いたします。
 必要に応じ、小児科と併診いたします。

【おなかサポート外来】

担当医渡邉揚介 医師
担当日隔週(第1・3・5週) 木曜日 14時~16時

●高校生以上の方の診療窓口は、消化器・肝臓内科が担当いたします。

担当医高橋 悠 医師笠巻敬太 医師
担当日毎週 金曜日 9時~12時毎週 木曜日 9時~14時

  各診療科の診療体制については、下記リンクをご参照ください(日本大学医学部附属板橋病院HP